【9月3日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2019)は2日、女子シングルス4回戦が行われ、大会第1シードの大坂なおみ(Naomi Osaka)は5-7、4-6で第13シードのベリンダ・ベンチッチ(Belinda Bencic、スイス)に敗れ、タイトル連覇を逃した上に世界ランク1位からも陥落する見通しとなった。しかし、今大会では大切な教訓を学んだとして、この逆境にも落ち着いた態度を示した。

 21歳の大坂は、悔しい気持ちでフラッシング・メドウズ(Flushing Meadows、全米オープン)を去ることになったものの、以前より賢くなったと自覚し、「今は残念な気持ちだけれど、大会中にとても多くのことを学んだ実感もある」「今は想像していたよりも、はるかに大きく人として前に踏み出したと感じているので、これからも成長していけるようにしたい。一生懸命に練習を続けていけば、良い結果が得られると思う」とコメントした。

 この2週間は膝の痛みに悩まされていたと認めた大坂は、実力が最大限に発揮できないときに、どういうプレーをすべきかよく分かるようになったといい、「この夏に学んだことは、例えベストのプレーができなくても、ベストのプレーをだそうとしている相手と試合をしていくこと」と明かした。

「そういう試合での勝ち方を見つけ出していく必要がある。そういう試合をすることが最も重要で、そこに自分の真価が試される。その面ではとても成長したと思う」

 しかしながら、大坂はコリ・ガウフ(Cori Gauff、米国)との3回戦で素晴らしい大人の対応を見せ、負けて泣いている相手を試合後のインタビューに誘って一緒に涙を流していた。

「あんなふうに大きく騒がれることになるなんて、まるで想像していなかった」「ただ、観客席にいる人々のためにと思ってしたことだったので驚いた」という大坂は、四大大会(グランドスラム)のトロフィーの数を増やすことはできなかったものの、ソーシャルメディアでのたくさんの応援が、人としての成長を後押ししたとみられる。

「学んだ教訓? あまり深刻に悩まないようにすることだと思う。それが一番大きいかもしれない。また次の大会があると思えるようになった」「前進しながら、これからも学んでいくつもり」

 3回戦で敗れた全仏オープンテニス(French Open 2019)では報道陣を避け、初戦敗退となったウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)でも会見を早々に切り上げていた大坂は、今回の敗戦では怒りよりも失望感の方が大きいという。

「それほど怒りはない」「もちろん、負けてとても失望しているし、腹も立っているけれど、怒っているわけではない」「今は前よりも頭が冷静になっていて、成長したと感じている。一つの試合に関して、あまり深刻になりすぎていない」

「もちろん、ある程度そういう気持ちはあるけれど、全体的にこの夏は良いプレーができたと思いたい。この大会は、ここ最近では最高の手応えがあったことは間違いない」 (c)AFP/Jim SLATER