【9月3日 AFP】アフガニスタンでムジャヒディン(聖戦士、Mujahideen)の司令官として旧支配勢力タリバン(Taliban)に対抗し、尊敬を集めたアフマド・シャー・マスード(Ahmad Shah Massoud)元国防相が暗殺されてから18年が過ぎた。その一人息子が今、父の使命を引き継ぐため、アフガンの混迷した政治の舞台に身を投じようとしている。

 米政府とタリバンが和平合意に至れば、米軍はアフガニスタン駐留部隊を大幅に削減するとみられている。これに対しマスード元国防相の息子、アフマド・マスード(Ahmad Massoud)氏(30)は、反タリバン勢力を奮い立たせ、血気盛んな戦闘員らがイスラム強硬派の新たな波に取り込まれるのを阻止したいと考えている。

「北部同盟(Northern Alliance)」の名で知られる「統一戦線(United Front)」の旗の下、さまざまな勢力をまとめ上げた亡き父の志を継ぎ、若きマスード氏はまず政治的に、そして必要ならば武力で対抗可能な反タリバン大連合を築きたいと考えている。

「アフガン人とアフガニスタンが二度と流血の惨事を目にしないことを心から祈っている」。マスード氏は首都カブールの実家でAFPのインタビューに応じた。「神は禁じている。だが、そのような事態が起きたら、私だけではない…私と同じような若者が何十万人もいる。われわれは銃を取る覚悟ができている」

 マスード氏は9月5日、正式に自らの政治運動を立ち上げようとしている。その決起場所は、旧ソ連軍にもタリバンにも制圧されなかった一家の故郷、カブール北方パンジシール渓谷(Panjshir Valley)だ。