【9月2日 AFP】19-20イタリア・セリエAは1日、第2節の試合が行われ、インテル(Inter Milan)はアウェーでカリアリ(Cagliari Calcio)に2-1で勝利し、首位に立った。

 しかしこの一戦では、決勝点となるPKを決めたロメルー・ルカク(Romelu Lukaku)にモンキーチャント(猿の鳴きまね)が浴びせられ、イタリアサッカー界にまたしても人種差別の問題が浮上した。

 ラウタロ・マルティネス(Lautaro Martinez)のゴールで前半の中頃に先制したインテルだったが、ハーフタイム明けにジョアン・ペドロ(Joao Pedro)の得点を許し、スコアを1-1とされた。

 すると71分、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)から6500万ユーロ(約76億円)の移籍金で加入したルカクがPKの準備を行っていると、観客席から数秒間にわたって人種差別的なチャントが飛ばされた。26歳のルカクは怒ったようにスタンドを見つめた後、自信を持って今季2ゴール目となるPKを成功させると、すぐにチームメートに取り囲まれた。

 これで開幕2連勝となったインテルは、前日にナポリ(SSC Napoli)を4-3で下した王者ユベントス(Juventus)を上回り、首位に浮上している。

 イタリアのスタジアムでは近年、人種差別的なチャントに悩まされている。

 同じスタジアムで今年4月に行われたカリアリ対ユベントス戦では、ゴールを決めた同国代表FWモイゼ・ケアン(Moise Kean)とチームメートのブレーズ・マテュイディ(Blaise Matuidi)が、同様の人種差別的な被害に遭っていた。

 ナポリに所属するDFカリドゥ・クリバリ(Kalidou Koulibaly)にも昨季、インテルのホームでモンキーチャントが浴びせられており、標的になった黒人選手は他にもいる。

 インテルのアントニオ・コンテ(Antonio Conte)監督は、「(チャントを)聞かなかった」とコメントした。

「それでも概して話せるのは、イタリアではそれを改善し、すべての人に敬意を払わねばならないということだと思う」

「海外で仕事をしていたとき、ファンはただ自分のチームを応援していて、対戦相手を侮蔑するようなことに時間を割いていなかった。私は問題なかったし、誰からも侮蔑の言葉を受けなかった」

 また、アタランタ(Atalanta)に3-2で勝利したトリノ(Torino FC)も、インテルやユベントスと勝ち点6で並んでおり、ASローマ(AS Roma)とのダービーを1-1で引き分けたラツィオ(SS Lazio)は連勝を飾ることができなかった。(c)AFP/Emmeline MOORE