【9月2日 AFP】19F1第13戦ベルギーGP(Belgian Grand Prix 2019)は1日、決勝が行われ、フェラーリ(Ferrari)のシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)が前日のクラッシュで他界した友人、アントワーヌ・ユベール(Anthoine Hubert)選手(22)にささげるF1初勝利を飾った。

 前日のフォーミュラ2(F2、FIA F2選手権)で、複数台が絡む事故によりユベール選手が死亡する悲劇が起こり、厳粛な雰囲気に包まれたスパ・フランコルシャン(Spa-Francorchamps)で、ルクレールが節目の初勝利を飾った。ユベール選手に1分間の黙とうをささげてからレースが始まると、ポールポジションから出たルクレールはほぼ常に先頭を守り、終盤猛追したメルセデスAMG(Mercedes AMG)の王者ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)を約1秒差で振り切った。

 ルクレールはチームの無線で「僕のF1初勝利。これはアントワーヌのためのものだ」「うれしいけど、こういう状況で楽しむのは難しい。だけどありがとうみんな。みんなは最高だ。夢がかなった」と話した。

 そして「とても難しい週末だった」というレースを終えた後には、「友人を亡くしたし、この勝利を彼にささげたい」とコメントした。

「僕らは一緒に強くなって、最初のレースもアントワーヌとエステバン(・オコン<Esteban Ocon>)、ピエール(・ガスリー<Pierre Gasly>)と一緒だった」「初勝利を楽しむ気にはなれない。だけどもちろん、一生忘れられない経験になる」

 一方、最後の追い上げで逆転勝利まであとわずかに迫ったハミルトンも、年間タイトル争いで、今回3位に入ったチームメートのバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)との差を65ポイントに広げている。

 ハミルトンは「持っているものは全て出した」「本当に難しいレースだったし、とにかくフェラーリがストレートで速かった。シャルルには初勝利おめでとうと言いたい。勝利にふさわしい走りを今年は続けている」とコメントした。

 前年優勝を飾ったフェラーリのセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)が4位に入り、レッドブル(Red Bull)に昇格したアレクサンダー・アルボン(Alexander Albon)が5位入賞。逆にマクラーレン(McLaren)の新人ランド・ノリス(Lando Norris)は残り1周でマシンが停止する不運に見舞われた。

 6位以下は、レーシングポイント(Racing Point)のセルヒオ・ペレス(Sergio Perez)、トロ・ロッソ(Toro Rosso)のダニール・クビアト(Daniil Kvyat)、ルノー(Renault)のニコ・ヒュルケンベルグ(Nico Hulkenberg)、トロ・ロッソに戻ったガスリー、レーシングポイントのランス・ストロール(Lance Stroll)と続いた。(c)AFP