【9月1日 AFP】現在保釈中で東京都内の制限住居で暮らすカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告(65)のフランス人弁護士は、公平性に欠けるとして東京地検を非難し、ゴーン被告が公正な裁判を受けられるのか疑問を呈した。

 日産自動車(Nissan Motor)と仏自動車大手ルノー(Renault)の会長を務めていたゴーン被告は、日産での役員報酬の過少記載や、日産が中東の販売代理店に支出した資金の一部を私的流用した罪などで起訴されている。100日以上勾留された後に保釈され、今は日本で公判開始を待っている。

 フランソワ・ジムレ(Francois Zimeray)弁護士は仏週刊紙「ジュルナル・デュ・ディマンシュ(Journal du Dimanche)」への寄稿の中で、「東京地検が人権侵害を犯していると非難する時が来た」「日産および日本の政治権力との驚くべき共謀といった、公平性を保つ義務に対する重大な違反がある」と述べた。

 さらに、「面目を失わないこと、そして秘密の約束をした日産の現経営陣を守ることによってフランスによる同社への影響力を粉砕することを自らの課題としている検察は、何をしても許されるように見える」と非難した。

 ジムレ氏は、メディアへの情報のリークなど、「裁判前にゴーン氏が有罪であるという見方をはびこらせようとあらゆる手が尽くされた」と述べた上で、情報のリーク元が「東京地検」なのは明らかだと断じた。(c)AFP