【8月31日 AFP】コンゴ民主共和国で昨年8月から続くエボラ出血熱流行の死者が、2000人を超えたことが分かった。また隣国ウガンダでは新たに1人が死亡しており、国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長によるコンゴ訪問を来月1日に控える中、エボラ熱の流行は衰えを見せていない。

 ウガンダで死亡したのは、コンゴから入国した9歳の女児。ウガンダでエボラ熱感染が確認され死亡した犠牲者は4人目で、容易に行き来が可能なコンゴ国境を越えて感染が拡大する恐れが再燃している。

 コンゴの保健当局が29日夜に行った発表によると、昨年の8月以降の死者は2006人(うちエボラ熱感染が確認された患者は1901人、感染の可能性が高い患者は105人)で、902人が治癒した。

 この死者数は、エボラ熱対策の直接評価を目的としたグテレス国連事務総長のコンゴ入りを直前に控えた中で、エボラ対策の後退を示す形となった。

 感染封じ込めの取り組みは、コンゴ東部での紛争と、感染地域でエボラと闘う医療従事者に対する攻撃によって阻害されている。グテレス事務総長が訪れる予定の北キブ(North Kivu)州ベニ(Beni)の市長は、エボラ治療センターが一部の人々から「死の落とし穴」として見られていると語った。(c)AFP/Samir TOUNSI