【8月30日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の妻、メラニア(Melania Trump)夫人の故郷であるスロベニアの北部に、トランプ大統領の巨大な木像がお目見えした。ただこれに腹を立てた村人が、トラクターで突っ込む騒ぎも起きている。

 木像が設置されたのは、首都リュブリャナの北約30キロに位置するのどかなセラプリカムニク(Sela pri Kamniku)村。

 像は高さ8メートルで、トランプ氏のトレードマークの髪、青いスーツに白シャツ、赤いネクタイを着用。右手を突き上げ、ニューヨークの自由の女神像(Statue of Liberty)を思わせるポーズをとっている。

 像を作った建築家のトマス・シュレグル(Tomaz Schlegl)氏はAFPに対し、この作品にはポピュリズム(大衆迎合主義)の政治に一石を投じるという願いを込めたと語った。

 シュレグル氏によると、頭部に仕込まれた装置により、その表情は「平日はとてもフレンドリー、週末はとても怖い」ものに変化。大衆に迎合する政治家らの偽善を表現したという。

 同氏は「第2次世界大戦(World War II)以後、初めてポピュリズムがはびこっている」「(英首相のボリス・)ジョンソン(Boris Johnson)氏やトランプ氏らを見てほしい。世界はどこへ向かっているんだ?」と嘆き、「民主主義が何たるかについて、皆を目覚めさせたい」と語った。

 しかしこのメッセージは一部の地元住民には伝わっていないと、シュレグル氏も認めている。村人らは、像に火を付けると息巻いている。

 像が立っている土地の所有者は村人らの圧力を受け、その使用許可を2か月に限定。像は10月31日、ハロウィーン(Halloween)の日に燃やされる予定だという。(c)AFP/Bojan KAVCIC / Jure MAKOVEC