【8月30日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)は29日、バルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)との契約オプションを行使し、通算5度の総合優勝を誇るルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)のチームメートとして来季も残留することになったと発表した。

 また、今季はメルセデスのテストドライバーを務め、リザーブドライバーでもあったエステバン・オコン(Esteban Ocon)が、ニコ・ヒュルケンベルグ(Nico Hulkenberg)に代わり、ルノー(Renault)の正ドライバーとして来季からレースに復帰することも明らかになった。

 来月1日に決勝レースが行われる第13戦ベルギーGP(Belgian Grand Prix 2019)を控え、サマーブレークが明けた初日のF1のパドックでは、移籍に関する臆測などが飛び交い、マーカス・エリクソン(Marcus Ericsson)もアルファロメオ(Alfa Romeo Racing)でF1に復帰する可能性が高いとみられている。

 王者メルセデスで4年目を迎えることになったボッタスは、2017年にメルセデスに加入して以降、グランプリで通算5勝を挙げ、今季のドライバーズ選手権ではトップのハミルトンと62ポイント差の2位につけている。

 28日に30歳の誕生日を迎えたボッタスは、「自分の総合目標はF1の世界王者になることだ。これまでの経験も踏まえ、2020年にその目標を達成するためにはメルセデスが最良の選択肢だと確信している」と語った。

 メルセデスのトト・ヴォルフ(Toto Wolff)代表は、今季のボッタスが実力を最大限に発揮しているとした上で、同選手について、「より多くを求める高いハングリー精神を維持し、成長し続けてもっと上のレベルを目指していく決意を持っている。それは、われわれがチーム全員に求める姿勢だ」と評価した。

 一方、チームの競争力を押し上げたいルノーは、ダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)の来季のチームメートとしてオコンと2年契約を結んだ。この動きによって、ヒュルケンベルグは2020年のシート探しを迫られることになった。

 ルノーの元テストドライバーでもあるオコンは、「まず第一に、ルノーのドライバーになれることをとても誇りに思う」「自分は2010年にロータス(Lotus F1 Team)からスタートしてルノーに移り、(チームの本拠地である)エンストーン(Enstone)で育った」「このチームと、ここで働く人々にはとても愛着がある。彼らが最高レベルのモータースポーツの扉を開いてくれた」と語った。

 ルノーのシリル・アビテブール(Cyril Abiteboul)マネジメントディレクターは、ヒュルケンベルグがチームで「とてつもない貢献」を果たしたとコメント。「ニコが加わったとき、チームはコンストラクターズ選手権で9位だった。昨年はチームを4位に押し上げ、彼自身もドライバーズ選手権で7位に入った」と述べ、その仕事ぶりを称賛した。

「ニコはチームが躍進する支柱だったので、今季限りでの契約終了を決断するのは難しかった」「今季前半は厳しさが増すものとなったが、われわれは彼を頼りに、チーム一丸となって後半を乗り切れると思っている」 (c)AFP