【8月30日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は29日、フロリダ州への上陸が予想されるハリケーン「ドリアン(Dorian)」の対応準備に集中するため、予定していたポーランド訪問を取りやめると発表した。ドリアンの勢力は5段階中最も弱い「カテゴリー1」だが、上陸までに重大な被害を及ぼし得る「カテゴリー4」に発達する恐れがある。

 ドリアンは29日、勢力を強めながら大西洋上をフロリダ州の方向に移動を続けた。フロリダ州は28日、ジョージア州は29日にそれぞれ非常事態宣言を発令している。

 米国立ハリケーンセンター(NHC、フロリダ州マイアミ)の29日午前11時(日本時間30日午前0時)の発表によれば、ドリアンの最大風速は約38メートル。位置は米自治領プエルトリコの首都サンフアンの北北西355キロの大西洋上、進路は北西、進行速度は時速20キロで、9月1日夜にフロリダ州に上陸するとみられている。

 プエルトリコは2年前の大型ハリケーン「マリア(Maria)」による被害からの復興途上にあるが、大部分がドリアンの直撃を免れた。しかしNHCは、フロリダ州南東沖に位置するバハマでは、一部の地域で最大203ミリの大雨が降る恐れがあるとした。

 トランプ大統領は、ドリアンのプエルトリコ接近を前に同領に非常事態宣言を出し、連邦政府による支援を許可する一方、プエルトリコを「地球上でとりわけ汚職にまみれた場所」と称した。プエルトリコでは、マリア被災時の義援金をめぐる汚職疑惑などでリカルド・ロセジョ(Ricardo Rossello)前知事が辞任に追い込まれている。

 同大統領はポーランドを訪れ、第2次世界大戦(World War II)開戦から80年の式典に出席する予定だったが、マイク・ペンス(Mike Pence)副大統領が訪問する。(c)AFP/Ivelisse Rivera