【8月29日 AFP】スペインの厚生・消費・社会福祉省は29日、医薬品の取り違えが原因で、乳児を含む子ども少なくとも17人に、いわゆる「おおかみ男症候群」(多毛症)の症状が確認されたと発表した。親がわが子に飲ませた胃薬の中身が、脱毛治療薬だったという。

 多毛症は、体毛が過剰に成長する身体症状。今年6月、保護者らが子どもたちの全身に体毛が生え始めたことに気付いた。

 症状の出た子どもたちには、保護者が胃酸の逆流を抑える医薬品オメプラゾールを飲ませていた。ところが、当局の調査で、実は子どもたちが飲んでいたのは脱毛症の治療薬ミノキシジルだったことが明らかになった。

 マリア・ルイサ・カルセド(Maria Luisa Carcedo)厚生相は記者団に、製薬会社の施設でミノキシジルがオメプラゾールと記載されたケースに誤って梱包され、そのまま薬局に届けられたことが分かったと説明した。梱包ミスを起こしたのは南部マラガ(Malaga)にある活性成分や医薬品の製造会社「ファルマキミカスル(FarmaQuimica Sur)」だが、ミスが起きた経緯は現在のところ不明。

 厚生・消費・社会福祉省によると、子どもたちは既に問題の薬の服用を中止しており、症状は今後回復するとみられている。取り違えの起きたオメプラゾールは回収された。(c)AFP