■「とてもユニーク」

 辛辣(しんらつ)だが機知に富むフランスの大女優を演じたドヌーヴは、「私は自分自身を映画に投じている。常にそうだ」と語った。だが、この役は「私ではない」とも強調した。

 フランス映画界の伝説的女優であるドヌーヴは、通訳を介して撮影したことについて「とてもユニークだった」としながら、「同じ言葉を話せなかったので私たちはフラストレーションを感じた」とも認めた。そして、監督と台本についての話し合いを重ねるなかで役を発展させることができたと語った。

 是枝監督は昨年、映画『万引き家族』でカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)のコンペティション部門最高賞のパルムドール(Palme d'Or)を受賞している。

 是枝監督は当初、劇場の楽屋を舞台にした話を書いていたが、ビノシュが一緒に映画を製作することを提案してきたため書き直した。これについて監督は、相互信頼を築いていく共同作業だったと説明した。

 ビノシュはドヌーヴとの初共演はうれしかったと語り、「まだとても若い頃に彼女に恋した」と付け加えた。(c)AFP/Kelly MACNAMARA