【8月29日 AFP】イタリアの反既成勢力政党「五つ星運動(M5S)」と中道左派の民主党(Democratic Party)は28日、新連立政権の樹立で合意した。ユーロ圏第3位の経済大国・イタリアでの総選挙は回避された。

 五つ星運動によると、新連立政権の首相にはジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)氏が続投する見通し。同氏は今月、ポピュリスト連立政権の崩壊を受け辞任を表明していた。これまで対立していた両党の合意により、イタリア各紙が「史上最も常軌を逸した危機」と呼んだ政治的混乱は収束することになる。

 五つ星運動のルイジ・ディマイオ(Luigi Di Maio)党首は、首都ローマの大統領府で記者団に対し、先にドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がコンテ氏への支持を表明したことににより「われわれは正しい道を進んでいることが示された」との考えを示した。

 五つ星運動・民主党両党は新連立政権の首相をコンテ氏が続投すべきか、新たな出発の象徴として新首相を選出すべきかで議論を続けていた。穏やかな語り口で知られる学者出身のコンテ氏は昨年、連立各党の妥協の結果、首相に選ばれていた。

 それでもディマイオ氏はこれまで、両党の合意のいかなるものも、依然としてオンライン投票で党員に承認される必要があるとくぎを刺している。(c)AFP/Ella IDE