【8月28日 AFP】中国政府とローマ法王庁(バチカン)が関係改善を目指して取り決めた合意に基づき、中国で初めてローマ・カトリック教会の司教が任命された。

 約1200万人いるとされる中国のカトリック教徒は数十年にわたり、無宗教を原則とする中国共産党が聖職者を選出する政府公認の教会と、バチカンの教義に従う非公式な地下教会とに分裂していた。

 しかし、昨年9月に結ばれた合意により、今後は中国政府とローマ・カトリック教会の両者が、中国国内におけるカトリック司祭の任命に関して発言権を持つことになった。

 中国政府の公認教会、中国天主教愛国会(Chinese Catholic Patriotic Association)は、同国北部内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)のウランチャップ(Ulanqab)教区の司教として、ヤオ・シュン(Yao Shun)氏が26日に任命されたと発表した。

 中国の法律では、牧師や司教は政府の公認教会に登録し、それと同調しなければならない。だが、バチカン広報局のマッテオ・ブルーニ(Matteo Bruni)氏は声明で、アントニオ・ヤオ・シュン(Antonio Yao Shun)司教の叙階式では「ローマ法王による権能授与」も行われたと述べた。

 また同氏は、今回の叙階は「1951年に関係を断絶したバチカンと中国政府が結んだ暫定協定の枠組みにのっとって初めて実施された」と述べた。(c)AFP