【8月28日 AFP】中国プロバスケットボールリーグ(CBA)の北京ダックス(Beijing Ducks)は27日、アジア系米国人として初めて米プロバスケットボール(NBA)王者になったジェレミー・リン(Jeremy Lin)がチームに加入すると発表した。

 リンは昨季、NBAファイナルを制したトロント・ラプターズ(Toronto Raptors)の一員だったが、調子が上がらないままプレーオフではほぼベンチを温め続けた。

 2012年のNBAで「リンサニティー(Linsanity)」と呼ばれる大旋風を巻き起こしたリンはこの夏、制限なしのフリーエージェント(FA)となり、同リーグではなかなか新チームを見つけられずにいた。

 CBAの強豪の一つであるダックスはリンとの契約を取りまとめ、中国版ツイッター(Twitter)の「微博(ウェイボー、Weibo)」で正式にそれを発表した。

 北京ダックスの秦暁ウェン(Xiaowen Qin)会長は、「北京ダックスに加入するジェレミーは、われわれに対する自信を示してくれており、光栄だ。心から彼を歓迎する」と述べた。

 2012年に名を成したリンだが、その後のキャリアは悩み多きものとなり、複数のNBAチームを渡り歩いた。

 先月、台湾で行われたイベントに参加したリンは、NBAからもういらないと言われたような気分だと述べ、涙を流した。

「状況は毎年悪くなる」「向こうでは、一度どん底に落ちたら後は上がるだけという言い方もするが、僕には一度落ちたらどんどん深い泥沼にはまっていくように思える」

 リンはけがにも苦しみ、2012年にそこまで8勝15敗だったニューヨーク・ニックス(New York Knicks)に7連勝をもたらした後は、安定感を欠いていた。

 このシーズンの活躍によってリンの地位は米国よりも、バスケットボールファンが多い中国で高まりを見せた。(c)AFP