【8月28日 AFP】世界最大の熱帯雨林を抱えるアマゾン(Amazon)盆地は、地域一帯だけでなく、世界の気候をも左右する重要な役割を担っている。

 アマゾンの現状について、以下に紹介する。

■森林破壊

 専門家らは、アマゾン熱帯雨林は毎年数万平方キロ規模で破壊が続いており、同地域の多くの部分が乾燥した草原に変わってしまう可能性があると警告する。これが世界の気候と生物多様性に与える影響は重大だ。

 500万平方キロを覆うアマゾン熱帯雨林の密集した林冠には、膨大な量の炭素が蓄えられており、それは人類が毎年大気に排出する炭素量の約10倍に等しい。

 過去半世紀の間で、アマゾン熱帯雨林の約20%が消失した。広大な地帯を覆う森林が主に材木、大豆、ヤシ油、バイオ燃料、肉牛の生産のために伐採されている。

■炭素吸収源

 木が伐採されると、蓄えられていた炭素は徐々に大気に放出されるが、木が燃えると、二酸化炭素(CO2)が一気に放出される。いずれの場合も、地球温暖化の原因となる。

 一方、世界の森林、とりわけ熱帯林は、人類が大気中に排出するCO2の25~30%を吸収している(海洋が20%を吸収)。もし、これらの炭素吸収源がなかったら、地表温度は今よりさらに上昇し、地球温暖化の加速リスクもずっと大きくなるだろう。

 環境政策シンクタンク、世界資源研究所(WRI)によると、2017年に消失した世界の熱帯林約16万平方キロのうち、35%をアマゾン、4分の1以上をブラジルが占めた。