【8月28日 AFP】ペルー北部の海辺の観光地ワンチャコ(Huanchaco)で、先コロンブス期に栄えたチムー(Chimu)王国の遺跡から儀式でいけにえにされたとみられる子どもの遺骨227体が発掘された。同国の考古学チームが27日、明らかにした。一度に発掘された子どものいけにえの数としては史上最大規模だという。

 子どもたちの遺骨はワンチャコのパマパ・ラ・クルス(Pamapa La Cruz)地区で昨年6月に初めて見つかり、以降発掘作業が進められてきた。

 遺骨は海に面する形で埋葬されており、皮膚や髪がまだ残っているものもあった。考古学チームを率いるフェレン・カスティーヨ(Feren Castill)氏によると、子どもたちはエルニーニョ(El Nino)現象を鎮める儀式でいけにえにされたとみられ、さらに遺骨が見つかる可能性もあるという。

 今回遺骨が見つかったパマパ・ラ・クルスに近いウアンチャキート(Huanchaquito)でも昨年4月、いけにえとしてささげられたとみられる子どもの遺骨140体とリャマの遺骨200体が見つかっている。

 チムー王国の文明はペルー沿岸部からエクアドルにかけて繁栄し、1200~1400年に全盛期を迎えた。しかしインカ(Inca)帝国に征服され、1475年に滅亡した。(c)AFP