彼は17歳のパレスチナの少年。
イスラエルとの国境での衝突中に負傷し片足を失ってしまった、しかしこの写真ではガザ市のビーチで松葉杖をつきながらもフットボールを楽しむ彼の姿が写されている。
彼は誰しもが選べない出生地という事柄において、偶然にもその場所に生まれ落ちてしまい、偶然にもその時代に生きてしまったために戦火に巻き込まれその結果、片足を失った。
この写真についての問題点はこの写真には写っていない、その問題点とは戦争に全くと言っていいほど終わりが見えないことと成年にも満たない男女やより若い赤子、その両親などの非戦闘員もこの戦いに巻き込まれているということだと私は考える。
これをみた皆さんには「私が世界を変える」といった考えを持ってもらいたいとは私は思わない、ただ同じ世界の同じ時間でこのようなことが起きているということを頭の片隅に置いて、その上で少しでも自分にできることを考えていただきたい。(ペンネーム:SK)

[正則学園高校]

[講評]柳沢富夫(有限会社ラウンドテーブルコム取締役社長)
何とも美しい夕日をバックにしたシルエット。しかしよく見ると、その背景には想像を絶する環境が脳裏を過ぎる。そんな瞬間を捉えた写真をきっかけに、私事にしていくことが大切な姿勢なのだろう。確かに「自分に出来ることを考えていきたい」と万民に思わせている。