【8月27日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2019)は26日、男子シングルス1回戦が行われ、大会第3シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は4-6、6-1、6-2、6-4で世界ランク190位のスミット・ナガル(Sumit Nagal、インド)を退け、2回戦進出を決めた。

 四大大会(グランドスラム)通算20勝を誇るフェデラーは、36分間に及んだ第1セットを落としたものの、調子を取り戻して試合を制し、「腕が鈍っていた」とコメントした。

 38歳のテニス界のレジェンドは、2003年の全仏オープンテニス(French Open)での敗戦を最後に、グランドスラムの1回戦では61連勝を記録していたが、22歳のナガルに第1セットを先取されたことが目覚ましになったという。

「とにかく、第1セットのことは忘れて力強くプレーし、相手に食い下がろうと心掛けた」「彼は反撃を仕掛けてきて、本当に力強いプレーをしていた。自分はたくさんミスをしてしまったので、アンフォーストエラーを減らそうと努力した」「立て直すのが、どうにか間に合った」

 通算5度の大会制覇を誇るフェデラーは、19本のアンフォーストエラーを犯すなどして第1セットを落としたが、グランドスラム初戦の戦績を62勝0敗に更新し、キャリア通算の勝ち星も1224個目を記録。2回戦ではボスニア・ヘルツェゴビナのダミアー・ジュムホール(Damir Dzumhur)と対戦することが決まった。

 オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)で行われた先月のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)決勝で、フェデラーは2本のマッチポイントをふいにし、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とフルセットの名勝負の末に敗れた。そして、この日も第4セットのサービングフォーザマッチで同じような場面があった。

 これまでツアーレベルで勝ったことがなく、今回の敗戦で通算戦績が0勝5敗となったナガルに思わぬ不覚を取ったフェデラーだが、試合を勝ち抜いたことは「悪くなかった」と振り返り、「こういうふうに勝ち抜けることができたのは悪くないと思う。今年のウィンブルドンでも、同じように1回戦で第1セットを落としていた」「最後の3セットに関しては良かった。それは励みになる」と語った。

「各セットの最初のゲームをブレークできたのは良かった。第1セットのことを振り払うのは、特に大会初戦の夜の試合では決して簡単なことではない。観客は違う結果を予想していて、自分も見方も違っていた」

「とにかく、自分の試合にするためにプレーを改善したかった。それができて安心したよ。自分のペースを実感したのは、第2セットでゲームカウント3-0になったときだ。第1セットでも、そういう場面があった」

「サーブが安定していなかったのが問題だ。自分では珍しくダブルフォールトを犯してしまった。それに、アンフォーストエラーの数も多すぎた。自分の中に迷いがあったのだと思う」

 今回の勝利で、歴代1位の記録を更新する通算17回目のATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals 2019)出場が決定したフェデラーは、「第2セットと第3セットの後、相手は少し自分に自信がなくなっていたように感じた。だから、主導権を握り続けることが重要な鍵だと感じたし、そうすることができた」と語った。

「フィニッシュラインを超えることが必要なんだ。ウィンブルドンではそれが難しかった。彼(ナガル)は良く食い下がっていたし、自分はそれを封じ込めなければならなかった。最後のゲームは厳しかった。あのサービスゲームは、まさに最後までやり遂げる必要があったのかもしれない」 (c)AFP