【8月27日 AFP】スイス・ジュネーブで開催されている「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES、ワシントン条約)」の締約国会議で26日、コツメカワウソの国際取引を禁止する議案が採択された。前日にはビロードカワウソについても取引の禁止を決めている。どちらも28日までの本会議で正式決定される見通し。

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 これら2種の野生個体数は過去30年間で急減しており、その減少率は30%以上ともされる。採択について環境保護団体らは、種の保存のために不可欠だとして歓迎している。

 個体数の急減をめぐっては、日本をはじめとするアジア諸国における近年のカワウソ人気が関係していると考えられている。カワウソをペットとして飼育するケースも増えている。

 議案では、種の保存のため国際取引の規制と監視を義務付けているワシントン条約「付属書Ⅱ(Appendix Ⅱ)」に分類されていたカワウソ2種を、国際取引を全面的に禁止する「付属書I(Appendix I)」に掲載することが提案された。

 環境保護団体らは、最近のソーシャルメディアでのカワウソ人気の高まりにより、カワウソの子どもの需要がアジア地域で急増しているとしながら、こうした流行によって種が絶滅に追い込まれるリスクもあると指摘した。

 急増する需要を満たすため、とりわけインドネシアやタイでは、カワウソの親を殺して子どもを奪うケースが増えているという。

 同じくペットとしての需要拡大で個体数が減少しているインドホシガメについても26日、付属書Iに掲載するための採決が行われた。(c)AFP/Nina LARSON