【8月27日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2019)は26日、男子シングルス1回戦が行われ、大会第7シードの錦織圭(Kei Nishikori)は6-1、4-1とリードしたところで対戦相手のマルコ・トルンゲリッティ(Marco Trungelliti、アルゼンチン)が途中棄権したため、わずか47分で初戦を突破した。

 全米オープンの元ファイナリストである錦織は、予選勝者で世界ランク205位のトルンゲリッティが腰の故障で棄権を余儀なくされたことについて、「見ていて少し痛ましかった。彼は素晴らしい選手」と話し、打ちひしがれた様子の対戦相手に慰めの言葉をかけた。

「自分としては試合開始から最高のテニスができていた。きょうのプレーには満足している」「だけど、もっと長くプレーしていたかった。コートで良い感触を受けていたので。もっとポイントを取り、もっとプレーへの自信を高めながら、もう少し自分に自信をつけたかった。リズムに乗っていたと思う」

 錦織は四大大会(グランドスラム)の中でも特に全米オープンとの相性が良く、2014年大会ではマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)に次ぐ準優勝を飾っているほか、直近の2016年と2018年にはベスト4入りを記録。また、グランドスラムではここ5大会連続でベスト8以上の成績を挙げている。

「第1セットはプレーが絶好調だった。最初のセットを終えた後に相手が痛みを感じ始めていた。もちろん、身体的には自分にとってこの先助かるだろう。今はフレッシュな状態だ」と話す錦織は、2回戦で世界108位のブラッドリー・クラーン(Bradley Klahn、米国)と対戦する。

 グランドスラムではここ11大会連続でノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)やラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)の「ビッグ3」がタイトルを占めているが、その牙城を崩すと思われる勢力の一角である錦織は、今月のロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2019)とウェスタン&サザンオープン(Western & Southern Open 2019)では、いずれも早期敗退に終わっていた。

「ビッグ3を倒す選手の一人になれることを望んでいるけれど、あの3人は今でも別格だと感じている」「だけど、自分も含めてドミニク(・ティエム<Dominic Thiem、オーストリア>)も(全米の)ファイナル経験者。彼は昨年ここでラファ(ナダル)と素晴らしい試合をしたし、何人かは彼らに近付きつつあると思う」

「もちろん、サーシャ(Sascha、アレクサンダー・ズベレフ<Alexander Zverev、ドイツ>の愛称)も素晴らしい選手だし、若手選手では他にもフェリックス(・オジェ・アリアシム<Felix Auger-Aliassime、カナダ>)、(デニス・)シャポバロフ(Denis Shapovalov、カナダ)、(ニック・)キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)らが頭角を現している」

「数年くらいで、少し状況は変わっていくはず」「願わくば自分もその中にこっそり割り込んで、いつかタイトルを勝ち取りたい。そう、自分にとってはマスターズ1000(ATP Masters 1000)やグランドスラムで優勝することが大きな目標」 (c)AFP/Martyn WOOD