【8月26日 AFP】米中貿易戦争が激しさを増す中、中国の人民元が26日、11年ぶりとなる安値をつけ、アジアの株式相場も軒並み下落した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は23日、対中追加関税の引き上げを発表。これに動揺した投資家らはリスク回避姿勢を強め、欧米の株価が下落した一方、情勢が不安定な際に買われる安全資産の円や金が急上昇した。

 トランプ大統領は同時に中国を強く批判し、米企業に対し中国からの撤退を呼び掛けた。事態は米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長によるおおむね穏健な演説にも影を落としたが、トランプ氏が求める金利の大幅引き下げには至らなかった。

 26日には元の対ドルレートが7.1487元に下がり、世界的な金融危機に見舞われた2008年の前半以降の最安値レベルとなった。中国を「為替操作国」と呼んできたトランプ氏を激怒させる可能性がある。

 香港株式市場も一時3%以上下落。投資家らは、警察が初めて放水銃を使用した香港の新たな抗議デモにも不安を示している。(c)AFP