【8月26日 AFP】スイス・ジュネーブで開催されている「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES、ワシントン条約)」の締約国会議で25日、ビロードカワウソの取引を禁止する議案が採択された。28日までの本会議で正式決定される見通し。

 会議は、ビロードカワウソを同条約の分類のうち最も厳しい「付属書I(Appendix I)」に掲載する提案を、賛成102、反対15、棄権11で採択した。これにより、ビロードカワウソは「国際取引禁止」の規制対象となる。

 ビロードカワウソの野生個体数は過去30年間で急減しており、その減少率は30%以上とされる。今回の動きについて環境保護団体らは、種の保存のために不可欠だとしている。

 個体数減少の一因となっているのは、日本でのカワウソ人気だ。日本では、ペットとしてカワウソを飼育する人が増えている他、カワウソの子どもが最高100万円前後で取引されることもある。

 インスタグラム(Instagram)では、ペットのカワウソと一緒に撮影したセルフィー(自撮り写真)が人気を集めているが、多数のフォロワーを持つインスタグラマーのこうした行為によって、ビロードカワウソが絶滅の危機に追いやられてしまっていると動物保護団体らは指摘する。

 国際自然保護連合(IUCN)カワウソ担当委員会のニコル・デュプレ(Nicole Duplaix)共同委員長は最近のAFPの取材で、カワウソの違法取引が突然増えたことを明らかにし、その増え方も急激であることを指摘していた。(c)AFP