【8月26日 AFP】ブラジル・アマゾン(Amazon)の熱帯雨林の火災が続くなか、ブラジル政府は25日、C130ハーキュリーズ(Hercules)輸送機2機による消火活動を開始した。数百件の新たな火災が発生しており、国内や欧州では森林破壊に対する数千人規模の抗議デモが行われた。

 国防省は、煙に覆われた北西部ロンドニア(Rondonia)州の州都ポルトベーリョ(Porto Velho)一帯で空中消火活動を開始し、大量の水を投下したと発表した。

 ボリビアと国境を接する遠隔地でも広範囲に森林火災が拡大。空に立ち上る太い煙が、世界最大の熱帯雨林アマゾン一帯の大気汚染を悪化させている。アマゾンは気候変動の緩和に重要な役割を果たしていると考えられている。

 最新の公式統計によれば、今年ブラジルで発生した森林火災は7万9593件に達し、2013年以降で最多を記録した。

 25日には動員された多数の消防隊員がポルトベーリョに向かった。セルジオ・モロ(Sergio Moro)法務・公安相は、違法伐採活動の取り締まりに治安部隊を動員することを承認した。

 フランス南西部ビアリッツ(Biarritz)で開催されている先進7か国(G7)首脳会議(サミット)では、アマゾンの森林火災が重要項目として協議された。フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は25日、G7サミット参加各国の首脳が被災国を「可能な限り速やかに」支援することで一致したと述べた。

 10月の大統領選に立候補しているボリビアのエボ・モラレス(Evo Morales)大統領は同国南東部で起きている森林火災への対応で自身の選挙運動を一時中断し、この危機に対処するため国際社会の支援を受け入れると25日に表明した。

 アマゾンは約60%がブラジル領内にあるが、ボリビア、コロンビア、エクアドル、フランス領ギアナ、ガイアナ、ペルー、スリナム、ベネズエラの8か国にもまたがっている。(c)AFP