【8月25日 AFP】ブラジル・アマゾン(Amazon)の熱帯雨林で猛威を振るっている大規模な森林火災には、世界の食卓におなじみの2大産業が関わっている。フランスで開催の先進7か国(G7)首脳会議(サミット)参加国の関心も集めているその産業とは、牛肉と大豆だ。

■牛肉

 ブラジル牛肉輸出業協会(ABIEC)によると、ブラジルは2018年、164万トンの牛肉を輸出し、世界第1位の牛肉輸出国となった。主要な輸出先は中国やエジプト、欧州連合(EU)だった。

 ブラジルの牛肉生産量はこの20年間で急増し、輸出量と輸出額の両方も、JBSとミネルバ(Minerva)、マルフリッグ(Marfrig)の食品大手3社主導で1997年から2016年の間に10倍に増加した。

 こうした成長はすべて、アマゾンの犠牲の上に成り立っている。

 国際環境NGOグリーンピース(Greenpeace)の研究者ロムロ・バチスタ(Romulo Batista)氏は、「アマゾン森林破壊の主要因は大規模な畜産だ。アマゾンの森林伐採地域の65%余りが現在、放牧地となっている」と指摘した。

■大豆

 ブラジルにとって主要な換金作物である大豆はかつて、森林破壊の主要因だった。

 大豆の栽培は1970年代、農民の移住や新たな栽培技術の開発、農薬の使用に支えられて劇的に増加した。

 農務省によると、同国の大豆輸出量は2018年、前年比22.2%増となる8330万トンを記録した。

 ブラジルは米国に次ぐ世界第2位の大豆生産国で、最大の輸出先は中国だ。

 ブラジル産大豆の昨年の対中輸出量は、米中貿易摩擦により中国が飼料用大豆の新たな調達先を探さざるを得なくなったおかげで、30%近く増加した。

 アマゾンの森林を伐採した地域の約6.5%が農耕地として利用されているものの、大豆の森林伐採への寄与度は減少傾向にある。(c)AFP/Morgann JEZEQUEL