【8月25日 AFP】ブラジル・アマゾン(Amazon)の熱帯雨林で森林火災が猛威を振るっている問題で24日、新たに1663件前後の火災が発生したとする公式データが発表された。世界中で抗議活動が行われる中、数千人規模の軍が消火活動に投入される事態となっている。

 23日に北西部ロンドニア(Rondonia)州を航空機で上空から取材したAFP記者によると、同州の広い範囲で多数の火災が発生し、太い煙が立ち上っていた。

 同州の州都ポルトベーリョ(Porto Velho)の複数の住民は、同市上空に薄い雲のようなものがかかっているが、その正体は広大な土地を焼け野原にした森林火災の煙だとAFPに語った。

 公式データによると、ブラジルでは今年、2013年以降最多となる森林火災7万8383件が記録された。専門家は、作物栽培や放牧のため、数か月続く乾期に行われる土地の伐開(雑木や雑草を除去すること)が事態を悪化させていると指摘している。

 火災の半数以上は、2000万人以上が暮らす広大なアマゾン川流域で起きている。ブラジル国立宇宙研究所(INPE)によると、22日から23日にかけて新たに1663件前後の火災が発生した。

 ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領は23日、アマゾンの森林火災の消火活動と犯罪活動の取り締まりに、軍を動員することを承認した。

 当局によると、ロンドニア州を含む7州が軍の支援を要請していた。アマゾンには兵士4万3000人以上が駐留しており、消火活動に対応できるという。

 軍だけでなく消防隊と空中消火機も投入される。水1万2000リットルを搭載可能な輸送機C130ハーキュリーズ(Hercules)2機を含む6機が消火活動のためロンドニア州に派遣されている。25日には消防隊員30人も合流する見込み。

 アマゾン森林火災は地球規模の怒りを呼び、ブラジルと欧州では23日、数千人が抗議デモを行った。ブラジルでは25日、さらなるデモが予定されている。(c)AFP/Carlos Fabal, with Allison Jackson in Rio de Janeiro