【8月23日 AFP】ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領は22日、同国北部アマゾン(Amazon)の熱帯雨林で森林火災が猛威を振るっている問題について、パリで開幕する先進7か国(G7)首脳会議(サミット)の参加国に対処を呼び掛けたフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領に対し、「植民地主義者の思考」だと非難した。

 ボルソナロ氏はツイッター(Twitter)で、「当事者諸国の参加なしにG7がアマゾンの問題を議論するというフランス大統領の提案は、21世紀にはそぐわない植民地主義者の思考を想起させる」と非難。

 さらにボルソナロ氏は、マクロン氏がブラジルや他の中南米地域諸国の国内問題を個人的な政治的利益のために利用していると述べ、同氏の論調は「扇情主義的」だと批判した。

 マクロン氏は同日、ボルソナロ大統領の投稿に先立ち同じくツイッターで、アマゾンの火災は国際的な危機だと警告。今週末にフランスで開催されるG7首脳会議で最優先に議論すべき問題だと述べていた。

 マクロン氏は「まさに、私たちの家が燃えている。地球上の酸素の20%を放出する肺であるアマゾンの熱帯雨林が、燃えている。これは国際的な危機だ。G7サミットの参加国へ、2日後にまずはこの緊急事態について議論しよう」とつづっていた。

■「皇帝ネロ」ではない

 同日、大統領府前で報道陣の取材に応じたボルソナロ大統領は、ローマで火災が発生しても何もしなかった皇帝ネロ(Nero)になぞらえて自身が非難されていることについて、「無責任だ。そうした言い方は反ブラジル的だ」と反論した。

 ブラジルでは通常10月末か11月初頭まで続く乾期に、農作業や放牧をするために土地が焼き払われ、森林火災が拡大する傾向にある。(c)AFP/Giovanna FLEITAS / with Jorge SVARTZMAN in Rio de Janeiro