急成長する中国の子どもモデル業界、長時間労働や虐待の指摘も
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【9月8日 AFP】中国・北京で開催されたファッションショーでさっそうとキャットウォークを歩くのは、身なりのピシッと整った子どもたちだ──。中国では近年、こうしたファッションイベントが数多く行われており、子どもモデルの需要が高まっているが、内部事情に詳しい関係者らは、身体的虐待や長時間労働、さらには親からの容赦ない圧力といったリスクに子どもたちがさらされているとして警鐘を鳴らす。
市場調査会社「ユーロモニター・インターナショナル(Euromonitor International)」によると、同国の服飾産業において最も急速な成長を遂げているのが子ども服の市場で、2018年の市場規模は405億ドル(約4兆3000億円)を超えたという。
さらに、各ブランドとスポンサー契約を結んでソーシャルメディア上で商品の宣伝活動を行う「キッドフルエンサー(子どものインフルエンサー)」の増加も子どもモデルの需要拡大に拍車をかけている。しかし、こうしたやり方には多大な犠牲が伴うと専門家らは指摘する。
モデル学校「ル・ショースターズ(Le Show Stars)」の創設者リー・ク(Lee Ku)氏はAFPの取材に対し、「言うことを聞かない子どもに親が手をあげることは(この業界では)よくあることだと」と述べる。
少し前には、モデルの仕事中に指示通りにできなかった3歳の娘を母親が蹴る様子を捉えた動画がインターネット上で拡散し、怒りの声が飛び交った。また、8月には、モデルの男児が気温37度の屋外で分厚い冬服を着てポーズを取る映像が投稿され、激しく批判された。
だが、リー氏によると、未成年者が1回のセッションで1万元(約15万円)も稼げる業界にあっては、このようなことは氷山の一角にすぎず、親による暴力は撮影現場では珍しくないという。また、セッションによっては100回以上の着替えをすることもあり、朝から晩まで仕事をすることも多い。
こうした状況について精神衛生の専門家らは、子どもへの影響が身体的な消耗にとどまらず、精神的にも長期にわたって影響を及ぼす恐れがあると指摘している。児童心理学者のゴン・シュエピン(Gong Xueping)氏は、「0~6歳の子どもは精神的発達の途上にあり、多くの探求と自由が必要」と説明した。