【8月23日 AFP】左右両派のポピュリズム(大衆迎合主義)政党による連立政権が崩壊したイタリアで、セルジョ・マッタレッラ(Sergio Mattarella)大統領(78)は22日、各政党に対し今月27日までに新たな連立政権の樹立を目指すよう求めたことを明らかにした。

 イタリアでは連立政権を形成していた極右政党「同盟(League)」と反既成勢力政党「五つ星運動(M5S)」が数か月にわたり対立。同盟のマッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)副首相兼内相は解散総選挙を要求するなどの動きを見せ、これに反発したジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)首相が20日に辞任を表明した。

 コンテ首相の辞意表明を受け、マッタレッラ大統領は各政党代表者らと2日間にわたって協議を続けてきたが、22日に記者会見を行い、今月27日までに新たな連立の枠組みで合意するよう各党に求めたと発表。また、27日にさらなる協議を行い、必要な決断を下すと語った。

 マッタレッラ氏は報道陣に対し、「この危機は時宜を得た措置と明確な決断をもって解決されねばならない」と強調した。

 期限までに新たな連立が成立しなかった場合、総選挙が前倒しされる可能性がある。また今後の新たな協議では、以前の対立状態からはほぼ考えられなかった五つ星運動と中道左派・民主党(PD)との連立を目指す動きが本格化する見通しで、五つ星運動のルイジ・ディマイオ(Luigi Di Maio)党首も議会過半数の確保に向けた交渉に前向きな姿勢を示している。(c)AFP/Duncan CRAWFORD