【8月23日 AFP】米国は22日、中国が南シナ海(South China Sea)の係争海域で、ベトナムなど領有権を争う各国を「脅迫する取り組み」を強めていると非難した。

 南シナ海をめぐっては先月、ベトナムが自国の排他的経済水域(EEZ)で中国船が活動しているとして即時退去を要求。ベトナムによると、この調査船は今月7日に問題の海域を離れたが、13日に同じ海域で活動を再開したという。

 モーガン・オータガス(Morgan Ortagus)米国務省報道官は、中国が政府所有の海洋探査船を武装した護衛船と共にベトナム沖に再派遣したと指摘。「ベトナムが自国のEEZで長年行ってきた石油・ガス活動に、中国が干渉を続けていることを、米国は深く懸念している」と述べた。

 また、中国の調査船派遣は「南シナ海の資源開発を理由に、領有権を争う各国を脅迫する取り組みの拡大」だとした上で、「海洋紛争の平和的解決に向けた(略)中国の取り組みに対し、重大な疑問が生じる」行為だとの見方を示した。

 中国船の活動再開で、南シナ海の資源豊富な海域の領有権をめぐる中国とベトナムの対立が再燃する恐れがある。南シナ海では他の東南アジア諸国も権利を主張している。(c)AFP