【8月22日 時事通信社】フランス南西部ビアリッツで24日、先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)が開幕する。ホスト役を務めるマクロン仏大統領は首脳宣言の採択を見送り、各国間の率直な議論を重視する方針だ。ただ、議題には気候変動やイラン核合意などの難題が並ぶ。各国間の激しい意見対立が予想されており、仲介に意欲を見せるマクロン氏の外交手腕が問われる。

 昨年カナダで行われたサミットでは、孤立主義を強めるトランプ米大統領と欧州各国との対立によりG7分断の危機が露呈したが、今回も不安定要素は尽きない。初参加のジョンソン英首相はトランプ氏同様、過激な発言で物議を醸す。退任を見据えるドイツのメルケル首相はレームダック(死に体)化し、イタリアのコンテ首相は辞表を提出したばかりだ。

 仏メディアによると、マクロン氏は、昨年のサミットでトランプ氏が前言撤回する形で首脳宣言への支持を取り下げたことにショックを受けていた。マクロン氏は21日、大統領府担当の記者団に対し「(閣僚によって)事前に調整された宣言はやめることに決めた」と強調。「宣言を出すべき材料があるかどうかはその時に判断する」と語り、従来型の包括的な首脳宣言の採択にはこだわらない姿勢を示した。

 マクロン氏は19日、ウクライナ南部クリミア半島の併合以来G8から除外されているロシアのプーチン大統領と会談。孤立するロシアと欧州の仲介役として存在感をアピールした。

 ただ、議論を主導しようとするマクロン氏にトランプ氏は不快感を示している。8日、トランプ氏はツイッターで、イラン問題をめぐり関係国の対話を訴えるマクロン氏を名指しで批判。「誰も米国を代弁してイランと対話することはできない」と反発した。

 パリ政治学院の国際関係学部長を務めるレッタ元伊首相はAFP通信に対し「かつては(サミットは)主要課題で共同見解を出せる場だったが、分裂した今の世界ではG7の存在そのものが見直されている」と指摘した。(c)時事通信社