キリンに忍び寄る「静かな絶滅」の脅威
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■2004年に初の長期調査
しかし、他の動物と同様にキリンを保護の対象とする目的で進められている世界的な取り組みにおいては、専門家らの意見が割れてしまっている。
ケニアを含むアフリカの6か国は、国連(UN)の「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES、ワシントン条約)」の下でキリンの国際取引を規制するよう強く求めている。スイス・ジュネーブでは8月17日から28日まで、ワシントン条約の締約国会議が開かれている。
だが反対派は、野生生物の国際取引がキリンの個体数減少の原因となっているという証拠はほとんど存在しないと主張する。信頼できるデータがないことが、キリンを保護する取り組みを長い間妨げているのだ。
キリンを対象とする長期調査は2004年になるまで行われなかった──。そう指摘するのは、国際保護団体「キリン保全財団(GCF)」のアーサー・ムネザ(Arthur Muneza)氏だ。同氏は、キリンに関するデータは、他の野生生物をターゲットとする研究者らが補足として収集するケースが多いとしながら、「信頼できるデータがなければ、適切な保護対策を講じることがさらに難しくなる」と話す。
さらに、合法取引とキリンの個体数減少との関連性についてはまだはっきりと分かっていないことを指摘しつつ、「国際取引の規模とそれがキリンの個体数に及ぼす影響を明らかにするための調査を実施することが最初のステップになるはずだ」と主張した。(c)AFP/Nicolas DELAUNAY