【10月21日 CNS】宋時代の敦煌(Dunhuang)城を再現し、中国と日本の合作映画『敦煌』の撮影地として知られる「敦煌古城」は、さまざまな映画やテレビドラマの撮影に対応するために各時代のセットを増設し、約2000平方メートル拡張した。近年は中国内外の映画やドラマの撮影場所としてにぎわいを見せており、夏季休暇の時期にはシルクロード観光の人気スポットにもなっていた。

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「敦煌古城」は、1987年に中日両国が共同制作した『敦煌』を撮影するために建設された巨大スタジオだ。甘粛省(Gansu)敦煌市の西約16キロのゴビ砂漠にあり、「倣宋砂州城」とも呼ばれる。北宋の都・開封(Kaifeng)のにぎわいを描いた『清明上河図』から当時の建築様式を参考にし、日本側の出資で建設された。北宋時代の高昌(Gaochang)、敦煌、甘州(Ganzhou)、興慶(Xingqing)、汴(Bian)、梁(Liang)5つ都市の主要な通りで構成されている。

「当時、映画のラストシーンで沙州城を燃やす予定だったのを、中国側の要望で残されることになったんです」と「敦煌古城」の鍾学軍(Zhong Xuejun)社長が説明している。映画『敦煌』が上映されると、「敦煌古城」には多くの日本人観光客が訪れるようになった。そして30年以上にわたる建設と開発を経て、中国北西部の中心的ロケ地となり、特に唐と宋の時代の重要な撮影基地となっている。中国政府の統計によると、ここ数年で撮影する国内外の映画やドラマの数は300を超えるという。

「敦煌古城」マーケティング担当の楊翠蓮(Yang Cuilian)氏によると、今年はすでに22万人以上の観光客を迎え、前年の同時期より17.6%増えた。古城の観光だけでなく、ラクダに乗ったりアーチェリーをしたりするなどの体験ができ、観光客のさまざまなニーズにこたえていることが人気の要因という。(c)CNS/JCM/AFPBB News