【9月9日 AFP】(更新)全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2019)は8日、男子シングルス決勝が行われ、大会第2シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が7-5、6-3、5-7、4-6、6-4で第5シードのダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)との激戦を制し、全米オープンで自身4度目、四大大会(グランドスラム)で通算19回目となる優勝を飾った。

 全米オープンでは自身5回目、グランドスラムでは27回目の決勝に臨んだナダルは、2セットを連取した後に追いつかれ、全米決勝では1949年以来70年ぶりとなるセットカウント2-0からの逆転負けもちらついた。

 しかし、2セットを先取したグランドスラムの試合では、200戦以上を戦って1回しか負けがないナダルは、大会最長記録まであと数分に迫る4時間49分の決勝を制し、2010年、2013年、2017年に続く大会制覇を果たすとともに、賞金385万ドル(約4億1100万円)を手に入れた。

 ナダルはこれで、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が持つグランドスラムの男子シングルス最多20勝まであと一つに迫っている。

 また33歳での優勝は、オープン化以後の全米オープンでは、1970年大会を制したケン・ローズウォール(Ken Rosewall)氏の35歳に次ぐ2番目に年長の記録。30代を迎えてからグランドスラム5勝を挙げたのは、男子ではナダルが初めてとなった。

 ナダルはこれで、12度目の大会制覇を果たした6月の全仏オープンテニス(French Open 2019)に続いて今季グランドスラム2勝目。またフェデラーのグランドスラム最多勝利だけでなく、オープン化以後の全米オープンの優勝回数でも、最多5回のフェデラー、ジミー・コナーズ(Jimmy Connors)氏、ピート・サンプラス(Pete Sampras)氏まであと1勝としている。

 メドベージェフとは8月のロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2019)決勝に続く2回目の対戦だったが、今回も勝利を収めた。ロシア勢との対戦では、2011年のカタール・エクソンモービル・オープン(Qatar ExxonMobil Open 2011)準決勝でニコライ・ダビデンコ(Nikolay Davydenko)氏に敗れたのを最後に、これで20連勝としている。

 一方のメドベージェフは、ロシア勢としては2005年の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament)を制したマラト・サフィン(Marat Safin)氏以来となるグランドスラム制覇、同じくサフィンが制した2000年大会以来の全米オープン優勝、あるいはマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)、ファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)に並ぶ大会最高長身チャンピオン(198センチ)など、こちらも複数の記録が懸かっていたがわずかに及ばず、自身最長の連勝も12試合でストップした。

 試合はナダルのセットカウント2-1で迎えた第4セット、両者ともにブレークのピンチをしのぐ緊張感が増す展開の中、第10ゲームでメドベージェフがついにブレークに成功。このセットを獲得して勝負を最終セットに持ち込んだ。

 迎えた第5セットも、第2ゲームでメドベージェフがブレークポイントを3本握るチャンスをつかんだが、ナダルはなんとかこのゲームをキープすると、第4ゲームからは一気に4ゲームを連取して5-2とし、優勝まであと一歩に迫った。

 しかし、迎えたサービングフォーザチャンピオンシップのゲームでは、タイムバイオレーションを取られてセカンドサービスを強いられ、ここで痛恨のダブルフォールトを犯してゲームを落とした。それまで「ラファ」コールでナダルを後押ししていた観客からは、主審の判定に対してブーイングが飛んだ。

 続くゲームも2本のチャンピオンシップポイントを握りながら取りきれず、このゲームをキープしたメドベージェフが4-5と巻き返して試合を盛り上げた。それでも第10ゲーム、ナダルはブレークのピンチをしのいだ流れから、フォアハンドのドロップショットで3回目のチャンピオンシップポイントをつかむと、最後はメドベージェフのサービスリターンがアウトになり、ナダルの優勝が決まった。(c)AFP/Jim SLATER