【8月22日 時事通信社】世界的ヒット曲の連続から薬物依存のどん底まで、英国を代表する歌手エルトン・ジョン(72)の半生を描いた音楽と伝記の映画「ロケットマン」が23日から日本で公開される。英国から来日したデクスター・フレッチャー監督(53)は、薬物依存から立ち直る姿を通じ「どん底でも生き抜く勇気」を感じてほしいと訴えている。

 東京都内で15日、時事通信の取材に応じた。映画は、約30年前のエルトン・ジョンが薬物治療に臨み、愛情に飢えていた子供時代からカウンセリングで人生を振り返る姿を描く。日本でもヒットした数々の曲を織り交ぜ、成功しても満たされないものは何か探っていく。

 監督自身も薬物依存と闘った過去がある。薬、酒、ギャンブルと中毒になってしまう人間に共通するのは「自分を愛せない自己嫌悪。自分への自信を持てないこと」と考えている。エルトン・ジョンの「暗い面、醜悪な面も洗いざらいさらけ出すことを目指した」映画だ。大スターであっても同じ人間。ステージから離れれば悩みも苦しみもある。エルトン・ジョンの姿から「何かを感じてほしい」と願っている。

 日本でも大ヒットした映画「ボヘミアン・ラプソディ」の監督を撮影最終盤で引き継ぎ、完成させた。今回の映画でも、出演者からは「素晴らしいチームだった」と撮影陣をまとめ上げる力が称賛されている。

 映画「エレファント・マン」(1980年)にも出演するなど監督は子役時代から俳優としても活躍してきた。「俳優は非常に繊細で傷つきやすい。疑心暗鬼になり『そんなことはできない』と俳優が言うとき、絶対に諦めさせないのが監督の仕事。できる、大丈夫と励ます資質が大切」とチームをまとめるこつを語った。キャスティングして「一度信じたなら最後まで俳優を信じ切ることが監督としては一番大事」と強調した。(c)時事通信社