【8月22日 AFP】イタリア・セリエAのフィオレンティーナ(Fiorentina)は21日、ドイツ・ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)を退団した元フランス代表MFフランク・リベリ(Franck Ribery)と2年契約を結んだと発表した。

【写真特集】2019年夏のマーケットで移籍したサッカー選手

 バイエルンで12シーズンを過ごしたリベリは、ブンデスリーガ史上最多となる9度のリーグ優勝を果たすなど計23個のタイトルを獲得。そうした経歴から「カイザー・フランク」の愛称を持つが、今年5月にチームを退団し、その後は無所属の状態が続いていた。

 キャリアの晩年に差し掛かった36歳のベテランは、トップレベルでのプレー続行を希望し、フィオレンティーナと400万ユーロ(約4億7000万円)の年俸にボーナスが加えられる内容の2年契約に合意した。

 空港に到着したリベリは、1982年のW杯(World Cup)を制したイタリア代表のメンバーで、現在はクラブの幹部を務めるフィオレンティーナのレジェンド、ジャンカルロ・アントニョーニ(Giancarlo Antognoni)氏に出迎えられた。

 リベリは、バイエルン時代のチームメートで、フィオレンティーナでもプレーしたルカ・トーニ(Luca Toni)氏にイタリア移籍を後押しされたと明かし、「家族と一緒にここに来られて幸せ」とコメントした。

「フィオレンティーナとは1週間にわたり交渉し、ルカ・トーニとも話した。フィオレンティーナは素晴らしいクラブで、街も美しいと教えてもらった」「それにイタリア語が好きなんだ。まだ上達させなければならないが、少しだけ話せる」

■「リーダー」

 リベリはこれまで、トルコ1部リーグのガラタサライ(Galatasaray)やフランス・リーグ1のオリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)、メッス(FC Metz)、(当時2部の)スタッド・ブレスト(Stade Brestois 29)でもプレーした。

 中国や中東から届いた高額のオファーを手にキャリアを終了する可能性もあったリベリは、米メジャーリーグサッカー(MLS)のロサンゼルス・ギャラクシー(Los Angeles Galaxy)行きを断ったとも報じられている。

 リベリはスカイ・ドイツ(Sky Germany)に対し「2年契約を結ぶということが非常に大切だった」と明かした。「他に重要な要素になったのは、家族と一緒にいられるということ。高いレベルでのプレーをあと2シーズン続けられることができ、とても幸せだ」

 フィオレンティーナではフェデリコ・キエーザ(Federico Chiesa)やドゥシャン・ブラホビッチ(Dusan Vlahovic)、ニコラ・ミレンコビッチ(Nikola Milenkovic)といったタレントが台頭しており、リベリが持つ経験は若手主体の野心あるチームにとって財産になるはずだ。

 一方、リベリにイタリア行きを勧めたトーニ氏は、伊紙ガゼッタ・デロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)に「フランクはリーダーだ」と語った。

「彼を知らない人は、特定の振る舞いを連想するかもしれない」「しかし、ロッカールームでの彼はフレンドリーだし、若手選手を手助けするだろう」「例えば、間違いなくイタリアで最も高い将来性を持つキエーザは、リベリから献身性の大切さを学ぶだろう」「トレーニング中のリベリは先頭に立つ存在だ。そしてピッチに立つと、戦いを始める」

 リベリは24日に行われるナポリ(SSC Napoli)とのリーグ開幕戦でフィオレンティーナでのデビューを飾るかもしれない。(c)AFP