【8月21日 AFP】今世紀に入り、世界全体ですでに2300頭以上のトラが殺され、密売されていることが明らかになった。

 野生動物取引の監視団体「トラフィック(Traffic)」が20日公表した報告によると、2000年から2018年の間に32か国・地域で、推定2359頭分のトラの死骸が押収されている。年平均で120頭以上、週平均では2頭以上の計算になる。

 報告書の執筆者であるトラフィック東南アジア支部代表のカニタ・クリシュナサミー(Kanitha Krishnasamy)氏は非常に憂慮すべき数だと話し、自分たちの活動は「負け戦のようだ」とAFPに述べた。

 1900年には、地球上に推定10万頭のトラが生息していたとされる。しかしこの数は2010年に史上最低の推定3200頭にまで落ち込み、絶滅が危惧されている。以降、トラの生息数はわずかながら増えてきているが、それでも現在、野生に生息するトラは3900頭以下とされる。

 クリシュナサミー氏は、次々に押収されるトラの生体や死骸、また全身の毛皮や骨の量の多さは「トラの体の部位に継続的な需要があることの証拠だ」と話した。

 同氏は声明で「議論の時間は終わった。これ以上のトラの減少を防ぐために、言葉を行動に移さなければならない」と訴えた。(c)AFP