【8月21日 AFP】今年4月に大規模火災に見舞われたフランス・パリのノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)に19日、防護マスクを着用した建設作業員らが再び姿を見せた。これまでの3週間は、鉛汚染の懸念により作業が中断されていた。

 同日にはミュリエル・ペニコ(Muriel Penicaud)労相が、白色の防護服を着用して焼け焦げた大聖堂を視察。また現場には作業員らが再び入り、建物の調査に当たった。

 これまでの作業は建物の倒壊防止に重点を置いており、大聖堂の修復自体はまだ始まっていない。文化省は、今なお倒壊の恐れがあると警戒している。

 4月の火災で、大聖堂の屋根と尖塔(せんとう)に使用されていた数百トンの鉛が溶け、その粒子が周辺地域に拡散。鉛は有害金属で、先週除染作業が始まっていた。

 住民は、文化省が安全第一を掲げているにもかかわらず、パリ当局は鉛汚染のリスクを軽視していると非難している。

 しかしパリを含むイルドフランス(Ile-de-France)地域圏のミシェル・カド(Michel Cadot)知事は現地視察後、「労働監督官らからの種々の勧告が履行されているのを確認した」として、作業再開を許可。その一方で、除染作業により作業員らの安全が確保されると強調した。

 映像は19日撮影。(c)AFP/Alain JEAN-ROBERT