【8月21日 AFP】マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は20日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」について、2014年に樹立を宣言した「カリフ制国家」は消滅したが、ISは依然としてシリアとイラクで脅威であり続け、勢力を増している地域さえあると述べた。

 ポンペオ氏はCBSの朝のニュース番組「ジス・モーニング(This Morning)」で、「3、4年前よりもISIS(ISの別称)が力を増した地域が存在する」と指摘。その一方、「対外的な攻撃の実行能力という面では、カリフ制国家は存在しない。攻撃の実行はかなり困難になっている」とした。

 同長官はまた、「すでにかなりのリスクが取り除かれた。すべてではないが、かなりの程度だ。われわれは、これまでの成果に非常に満足している」と表明した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は今年、シリアのユーフラテス渓谷(Euphrates Valley)で行ったIS最後の拠点に対する掃討作戦の後、シリアとイラクでISと戦う米国主導の部隊が「100%の勝利」を収めたと宣言した。

 だが、多くのIS戦闘員が今も大衆に紛れ込んでいるとみられるほか、ISはイラクのへき地に小規模な拠点を維持している。

 米国防総省監察官室は今月、ISは「シリアで領域支配勢力から反乱へ」と移行するとともに、イラクで反乱能力を強化しているとの報告を公表した。(c)AFP