【8月21日 AFP】(更新)イタリアのジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)首相が20日、辞表を提出した。コンテ氏は辞任表明に伴い、極右のマッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)副首相兼内相が連立政権を解消させることにより自利を追求したとの批判を展開した。

 コンテ氏の辞任表明を受け、セルジョ・マッタレッラ(Sergio Mattarella)大統領は今後数日内に各政党と協議を行い、新たな連立政権を発足させるのか、あるいは総選挙を実施するかを決定する見通し。ユーロ圏第3位の経済大国である同国はそれまでの間、政治空白に陥ることになる。

 マッタレッラ大統領はコンテ氏の辞表を受理し、グリニッジ標準時(GMT)21日午後2時(日本時間同11時)に開始予定の新政権に関する協議の結果が出るまでの間、同氏に暫定政権を率いるよう指示した。

 コンテ氏は、上院で1時間近くにわたって演説した後、「私は現政府での経験をここで終える」と表明。さらに、サルビーニ氏が解散総選挙の実施により首相就任を狙い、政権を崩壊させようと試みたことについて、「政府の危機を引き起こすことは無責任だ」と非難した。

 サルビーニ氏は今月8日、自身が率いる極右政党「同盟(League)」と反既成勢力政党「五つ星運動(M5S)」の連立に対する支持撤回を表明。イタリアは政治的混乱に陥った。

 サルビーニ氏は、ナショナリズム的・反移民的な方針を声高に推進し、移民や同性婚、イスラム教をあからさまに攻撃し、同盟の支持率上昇に貢献した。世論調査結果によると、同盟と連立可能な政党には反移民・反LGBT(性的少数者)政党「イタリアの同胞(Brothers of Italy)」や、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相の中道右派政党フォルツァ・イタリア(Forza Italia)がある。(c)AFP/Charles ONIANS