【8月20日 AFP】暴動が発生しているインドネシア領パプア(Papua)で19日、刑務所が放火され、受刑者250人以上が脱走した。当局が翌20日、脱獄囚らの行方を追っていると発表した。

 同国最東部に位置するパプアでは、数十年にわたって反政府運動が続いている。今回の事件は、パプア出身の学生数十人が当局に拘束されたことをきっかけに、同域の複数の都市で暴動や抗議デモが起きていた最中に発生した。

 当局によると、怒ったデモ参加者らが西パプア(West Papua)州ソロン(Sorong)にある刑務所に放火。収容されていた受刑者500人のうち、約半数が逃走したという。

 地元の法務省報道官は「受刑者258人が脱走し、けさまでに5人しか戻ってきていない」と述べた。また、脱走を制止しようとした職員らが投石を受け、負傷したことも明らかにした。

 人口約22万人のソロンでは、19日に大規模な抗議デモが発生。同州の州都マノクワリ(Manokwari)も無秩序状態に陥り、地元議会の建物が放火されてほぼ全焼した。

 現在はパプアのほぼ全域が落ち着いたものの、ソロンでは20日にも約500人がデモ行進に加わり、暴徒鎮圧用の装備を身に着けた警察が催涙ガスと放水銃で群衆を追い払う事態となった。(c)AFP