【8月22日 Xinhua News】中国の家電量販大手、蘇寧易購(Suning.com)集団傘下の蘇寧物流はこのほど、江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)江北(Jiangbei)新区の国際健康城で、高さ50センチほどの白い自動運転配送車の運用を開始した。障害物を自動的に回避し、交差点では自動的に道路を選択し、非常時は人が操作を代行するなど、高度な技術を持つ次世代移動通信システム(5G)対応の自動運転配送車は、同社スマートリテール分野の商品配送を担う。

 休日出勤した会社員の史さんがスマートフォンで注文すると、同じく蘇寧易購集団傘下のコンビニである蘇寧小店の店員、孫栄栄(Sun Rongrong)さんは飲料を自動運転配送車に入れて暗証番号を設定し、配送車が店を出発した。わずか5分で、配送車は史さんの会社近くに到着。飲料到着のメッセージを受け取った史さんが配送車から飲料を受け取ると、配送車は「失礼します。私のことを覚えてくださいね」と話してその場を去った。

 蘇寧物流集団物流研究院の凌雲飛(Ling Yunfei)主任は、「この5G対応自動運転配送車は、2018年4月に実証実験に成功した『臥竜一号』のアップグレード版だ。『臥竜一号』は現在、北京市、南京市、成都市(Chengdu)で運用されている」と述べた。

 凌主任によると、「第一世代の『臥竜一号』と比べ、今回の自動運転配送車は、自動運転性能が大きく向上し、交差点を独自に判断して通過できる。走行速度も速くなり、平均速度は時速8キロ、最高は時速15キロに達する。また、100メートル先の障害物を発見し、回避できる」という。

 自動運転配送モニタリングセンターでは、技術者が自動運転配送車の走行状態を確認している。凌主任は「自動運転配送車に何か問題が生じた場合や、長時間止まって動かない場合は、バックグラウンドプログラムが技術者に操作の代行を依頼する。帯域幅が広く、通信速度が速いという5Gの特性を活用し、人の操作によって障害を解決した後は、再び自動運転させることが可能」と述べた。モニタリングセンターでは今後、数百台の自動運転配送車をオペレートするほか、自動運転配送車がエレベーターやオートドアロックシステムといった複雑な場面に対応できるようにする予定だ。(c)Xinhua News/AFPBB News