【8月20日 AFP】ラグビーフランスリーグ・トップ14のリヨン(Lyon OU)へのレンタル移籍が決まった元日本代表のWTB山田章仁(Akihito Yamada)は19日、現在もW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)の代表メンバーに選ばれることを目指していると語った。

 4年前のW杯イングランド大会で日本が劇的勝利を収めた南アフリカ戦に先発出場するなど、これまで代表25キャップを記録している34歳の山田は今月、2か月の期限付き移籍でリヨンと契約した。

 山田はAFPの取材に対し、ジェイミー・ジョセフ(Jamie Joseph)ヘッドコーチ(HC)率いるブレイブブロッサムズ(Brave Blossoms、日本代表の愛称)のコーチ陣と話をしたと明かし、「W杯の日本代表メンバーに復帰することを目指している。とにかく毎日懸命に練習するだけ」と語った。

「ここへ来たのは、W杯で招集される場合を想定してのことで、そうなることを期待している。コーチ陣には、けが人が出たら『どうか自分を呼んでくれ』と話した」

 山田はまた、2015年大会でスプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)に土壇場の勝利を飾った経験が、現在の布陣に良い影響をもたらすだろうという認識を示し、「一人のラグビー選手としてあれは最高の経験だったし、あの場にいられて自分は幸運だった。日本のラグビーにとって、最高の日になった。今年のW杯では、あの時の経験をすべて生かしていく必要がある」と語った。

■五郎丸らの足跡

 日本人選手では日野剛志(Takeshi Hino)も先日トライアルを経て王者スタッド・トゥールーザン(Stade Toulousain)と契約を結んでおり、開幕を直前に控えた今季のトップ14で、山田とともに先人の五郎丸歩(Ayumu Goromaru)とクリスチャン・ロアマヌ(Christian Loamanu)の足跡をたどることになる。

 ジャパンラグビートップリーグでは、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(NTT Communications Shining Arcs)に所属する山田は、「友人の日野は、トゥールーズで活躍すると確信している。少し前に話したばかりで、試合に出るために懸命に練習しているようだ」「アジアを通じて、ラグビーをもっと盛り上げる素晴らしい機会になる」と語った。

 テストマッチで通算19トライを記録している山田は、もしW杯のメンバーに選出されなければ、昨季のセミファイナリストであるリヨンにもっと長く残留したいとしており、「日本のシーズンは2020年1月に開幕するので、時間が十分にあるから、ここには長くとどまりたい」とすると、「フランスのラグビーと文化に慣れていきたい」と付け加えた。

 日本代表はW杯を控えた最後のウオームアップとして、来月6日に熊谷で南アフリカとの壮行試合が予定されている。日本は同20日のロシア戦で大会の幕を開け、アイルランド、サモア、スコットランドとのプールステージに臨む。(c)AFP/Illtud DAFYDD