【8月31日 東方新報】中国の浙江体育職業技術学院のオフィシャルサイトによると、中国水泳チームキャプテンの孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ)がこのほど、同院訓練処の副処長に就任した。

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 孫は、競泳男子200メートル、400メートル、1500メートル自由形で五輪金メダルを取り、先日開催された韓国・光州(Gwangju)での第18回世界水泳選手権(18th FINA World Championships)では、競泳男子200メートル、400メートル自由形で二冠を果たした。これまでに世界水泳で獲得した金メダルは11個、男子個人の金メダル保持数としては歴代2番目の地位にある中国水泳界のスーパースターだ。

 一方で、国際社会では、日本の国歌を耳障りだと言ったり、ドーピング疑惑に反抗して検体を金づちで割って検査を妨害したりと、その言動が物議を醸す水泳界の「お騒がせ男」とも呼ばれている。

 そんな孫が、今後は訓練処の責任者として官僚の仕事も行うことになった。学院の競技スポーツ発展計画草案の立案、各競技管理規則制度の確立・整備、スポーツチーム創設の指導、コーチの招へい、全院の訓練スケジュールの指導などといった業務も行う。

 同学院は浙江省(Zhejiang)体育局主管の全日制スポーツ選手養成学校。中国では、スポーツ選手が官僚として出世していくことは珍しくなく、国家体育総局副局長を長らく務めていた元卓球選手の蔡振華(Cai Zhenhua)氏の例もある。孫も将来は、国家体育総局の官僚コースを歩むことになるかもしれない。

 孫の新しい職務について、ネットでは「おめでとう!」「孫楊は本当に優秀。中国水泳界の発展に黙々と貢献してくれる!」といった賛同の声も多く、現役選手の立場から、競技技術の経験をより多くの選手に伝授してほしいと期待が寄せられている。(c)東方新報/AFPBB New