【8月19日 AFP】シリアに原油を運んでいたとして英領ジブラルタル(Gibraltar)で拿捕(だほ)されていたイランの大型石油タンカーが18日、ジブラルタル沖から出航した。

 船舶の位置情報などを提供するウェブサイト「マリントラフィック(Marine Traffic)」によると、拿捕された大型石油タンカーは7月4日からジブラルタル沖に停泊していたが、現地時間18日夜に出航して南に向かった。ジブラルタル自治政府は、同船の出航について正式な発表をしていない。

 ジブラルタル当局は7月4日、欧州連合(EU)の制裁に違反してシリアへ石油を輸送していた疑いがあるとしてイランの大型石油タンカー「グレース1(Grace 1)」を拿捕した。

 その後今月15日にジブラルタルの裁判所は、グレース1と、その積み荷である原油210万バレルの解放を命じていた。米国は16日、同タンカーの差し押さえを要請していたがジブラルタル自治政府はこれを拒否していた。

 グレース1は出航に先立ち、船名を「アドリアン・ダルヤ(Adrian Darya)」に変更した。(c)AFP