【8月18日 時事通信社】フランスのマクロン大統領は19日、南東部ブレガンソン城塞(じょうさい)でロシアのプーチン大統領と会談する。仏大統領府によれば、マクロン氏はプーチン氏に対し、ウクライナのゼレンスキー大統領との対話に応じるよう働き掛ける方針だ。

 フランスは今年、先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)の議長国を務める。南西部ビアリッツで24日から3日間、安倍晋三首相らを迎える。サミットまで1週間を切った中で行われるプーチン氏との会談では、サミットを見据えた駆け引きが展開されると予想されるが、内容はサミット当日まで明かされることはなさそうだ。

 マクロン氏は、地球温暖化対策やイラン核問題をめぐってトランプ米大統領との関係が冷え込んでいる。ロシアは2014年、ウクライナ南部クリミア半島の併合によりG8から除外されたままだ。孤立するロシアに手を差し伸べ、独自の関係を築いていくことで、トランプ政権をけん制し得る外交力を備えたいマクロン政権の思惑も見え隠れする。

 ウクライナ問題では、5月に就任したばかりのゼレンスキー大統領が既に先月と今月、プーチン氏と2回の電話会談を行った。ウクライナ東部の戦闘をめぐり、互いに相手の譲歩を迫って終わっており、緊張緩和には程遠いものの、次の段階として直接の対面実現を水面下で模索しているのは間違いない。

 仏大統領府は15日、AFP通信に対し、ドイツを加えた4カ国の枠組みで「ウクライナ問題に対する取り組みを強化する」と表明した。ロシアとウクライナ両首脳の直接会談は難しくても、独仏首脳を交えた形ならハードルは低くなる。

 マクロン氏は昨年5月、欧米各国首脳が敬遠する中、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム出席を敢行、ロシア入りしてプーチン氏と会談し、トランプ大統領が離脱を表明したイラン核合意維持で一致した。今年6月下旬には20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)に際し、大阪でプーチン氏と会談し、着々と2人の関係を築いてきた。

 ブレガンソンでの会談を前に、ロシアの裁判所は15日、詐欺罪で拘束されていたフランス人実業家を釈放する決定を唐突に下した。仏紙ルモンドは「プーチン氏の訪仏を控え、驚くべきどんでん返しだ」と報じた。ロシアも対仏接近への意義を見いだしているようだ。(c)時事通信社