【8月18日 時事通信社】在ドイツ北朝鮮大使館の敷地内にあるホテルが、国連の制裁違反にもかかわらず営業を続けている。不可解な理由で立ち退き訴訟が進まないためで、独当局も手を焼いている。

 「シティホステル・ベルリン」は政府機関や商業施設が集中するベルリン中心部にあり、ベッド数は435。大使館の敷地にあるが、出入りは自由で、6人の共用部屋が1人1泊17ユーロ(約2000円)程度からと格安だ。ある宿泊客男性は「北朝鮮との関係は知らなかった。中は普通のホテルだ」と話す。

 ホテルは2008年に開業。独運営業者が払う賃料は月3万8000ユーロ(約450万円)で、北朝鮮の外貨獲得手段となっていた。しかし16年11月の国連制裁強化で、同国が大使館などの敷地を外交以外に使うことが禁じられ、独当局が閉鎖を要請。大使館は18年2月に重い腰を上げ、業者に解約を通告し、立ち退き要求の訴訟を起こした。

 だが、独メディアによると、大使館が訴訟に必要な手数料を裁判所に払わないため手続きが進まず、営業が続いているという。独当局も「手数料が払い込まれなければ、立ち退き命令は出せない」(外務省報道官)と対応に苦慮。大使館と業者が結託し訴訟を遅らせているとの臆測もあるが、双方ともコメントしておらず、真相は不明だ。(c)時事通信社