【8月18日 AFP】ラグビーテストマッチが17日に行われ、ウェールズは13-6でイングランドに勝利。この結果、ウェールズが史上初めて世界ランキング1位に浮上し、ほぼ10年にわたって頂点に君臨したW杯2連覇中のニュージーランドが王座から陥落することが決まった。

 ウェールズは前週、肉弾戦を挑んできたイングランドに敗れて1位浮上を逃していたが、今回はチャンスをものにした。一方、2009年11月から維持していた1位を明け渡すことになったオールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)だが、こちらも同日にオーストラリアを36-0で粉砕し、強さを見せつけている。

 12年間率いたウェールズ代表の指揮官を、ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)限りで退任することが決まっているウォーレン・ガトランド(Warren Gatland)ヘッドコーチ(HC)も、1位奪取にはあまり大きな意味を見いだしておらず、「ただの数字だ」と話している。

「肩書としては気分が良いが、何より大切なのはこれからの数か月の過ごし方と、それを土台にしたW杯日本大会での好パフォーマンスだし、この後にはアイルランドとの2試合もある」

「1日くらいはうれしいが、それだけで有頂天になることはない。冷静さを保たなくてはならない」「たくさんの記者が、『こんなのは何かの冗談だ』と言うだろう。特にニュージーランドの記者はね。世界ランキングはただの数字だ」

 実際、イングランドを率いるエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)HCは、このことをネタに「これでウェールズがW杯の優勝候補だ。世界ランク1位になると、そのチームはW杯の優勝候補になるんだ」と冗談を飛ばしている。

 その一方で、ウェールズではFBリアム・ウィリアムズ(Liam Williams)とFLジェームズ・デービス(James Davies)の状態に不安が生じている。

 ウィリアムズはウオーミングアップ中に太ももの張りを訴えてリー・ハーフペニー(Leigh Halfpenny)と急きょメンバーを入れ代わり、タッチライン際で元気のない姿を見せた。けがをしがちなデービスも、兄のジョナサン(Jonathan Davies)とともに、ウェールズ代表では2006年のロビンソン兄弟以来となる兄弟同時出場を果たしたが、24分でジョシュ・ナビディ(Josh Navidi)と交代している。(c)AFP/Geoff CADDICK