【8月17日 時事通信社】連立与党内の対立激化により政権崩壊が懸念されるイタリアで、与党右派「同盟」を率いるサルビーニ副首相が早期実現を要求する解散総選挙の行方が不透明さを増している。解散に否定的な与党第1党の新興左派「五つ星運動」に前与党の中道左派・民主党が同調する動きを見せているためだ。

 同盟は昨年の総選挙で約18%の票しか獲得しなかったものの、厳しい反移民政策が支持を集め、現在の支持率は約38%。一方、当初約32%の票を獲得した五つ星の支持率は17%台に下落した。両党の立場は逆転し、総選挙が行われれば同盟の躍進は確実だ。

 自信を深める同盟は解散総選挙に追い込むため、9日に内閣不信任案を提出。サルビーニ氏は即時の採決を求めていたが、五つ星と民主党は13日、20日に先送りすることで一致した。

 当初は不信任案可決が有力視されていた。サルビーニ氏は依然として「20日に可決させる」と強気の姿勢を崩していない。しかし、五つ星、民主党とも一枚岩でないとはいえ、これまで反目していた両党が連携の動きを示した上、反対票取りまとめに向けた時間的余裕が生じたことで、否決の可能性も出てきた。

 仮に不信任案が可決された場合、議会解散権を持つマッタレッラ大統領は秋にも総選挙を行うか、各党と協議の上で暫定政権の発足を模索するかの判断を迫られる。ただ、地元メディアによればマッタレッラ氏は総選挙に踏み切らず来年の予算案の審議を優先したい意向という。

 一方、民主党のレンツィ元首相は13日、「(不信任案採決を先送りした)上院の決定は、新たな多数派与党形成の可能性を示した」と表明。五つ星との連立交渉に前向きな姿勢を示した。両党を合わせた議席は過半数を上回る。ただ、レンツィ氏の強引な手法を批判する五つ星のディマイオ党首は連立に否定的だ。(c)時事通信社