【8月17日 CNS】中国・青海省(Qinghai)玉樹チベット族自治州(Yushu Tibetan Autonomous Prefecture)新寨村(Xinzhai)には、チベット仏教の経文を石に彫り、高く積み上げた「マニ石経城」を見学しようと多くの観光客が訪れる。

 マニ石経城は紀元1700年頃、チベット仏教の高僧であった嘉那活仏により創建されたもので「嘉那マニ石経城」と呼ばれる。

 史的文献によると、嘉那活仏はカム(Kham)地方の出身で峨眉山(Emeishan)と五台山(Wutaishan)で修業をし、チベットの聖地を巡り礼拝したとされる。

 嘉那活仏は200年前に新寨村にたどりつき、チベット仏教の神聖な「六字真経」が自然に現れるマニ石を発見し、同村に住みついた。僧侶や民衆と共に、マニ石を彫って一生を過ごしたと伝えられている。

 現在、石経城に積み上げられたマニ石は東西283メートル、南北の幅74メートル、高さ2.5メートルに及び、20億個を超える。ほかに、大転経堂1か所、仏堂1か所、大マニ車10か所、小マニ車300か所、座仏堂10か所を有する規模となっている。仏堂内には、石経城の創建者で一世嘉那活仏の塑像とマニ経が自然に現れる石が奉納されている。

「嘉那マニ石経城」に積み上げられた経文数の多さ、彫刻時間の長さ、規模の大きさなど、まさに稀有(けう)な存在であり、世界最大と呼ぶにふさわしい。(c)CNS/JCM/AFPBB News