【8月15日 AFP】14日に行われたテニス、ウェスタン&サザンオープン(Western & Southern Open 2019)男子シングルス2回戦で大会第8シードのカレン・ハチャノフ(Karen Khachanov、ロシア)に敗れたニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)が、試合中に主審に激高し、一時コートを離れてラケット2本を壊す一幕があった。

【関連記事】キリオス激高、椅子をコートに投げ入れ試合放棄 イタリア国際

 気性が荒いことで知られるキリオスはこの日、7-6(7-3)、6-7(4-7)、2-6でハチャノフに逆転負け。終始、アイルランド出身のファーガス・マーフィー(Fergus Murphy)主審と口論し、最終セットは茶番に近い内容だった。

 キリオスは2週間前のシティ・オープン(Citi Open 2019)でキャリア6勝目を挙げたが、前週のロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2019)では、試合中に白のタオルを用意してもらえなかったことに文句を言っていた。

 そしてこの日は第2セットを落とした後に怒りが爆発。セットの合間に椅子に座っていたキリオスは、突如としてトイレットブレークを取ると宣言すると、時間がないと言う主審の制止を振り切ってラケット2本を手にコートを後に。

 するとテレビカメラは、スタジアムの扉を通り抜けたキリオスが、ラケットをたたき壊している姿をとらえた。キリオスは折れたラケットを拾ってコートに戻ってきたが、その間ずっと暴言を吐いたり、マーフィー主審をののしったりしていた。

 最終セットが始まると、キリオスは3本のエースをたたき込んで最初のサービスゲームをキープ。自分自身を冷静にコントロールしてみせたが、先にリードを奪ったのはハチャノフで、ブレークに成功してから一気に5-2と差を広げた。

 これで後がなくなったキリオスは、ダブルフォールトでハチャノフに2本のマッチポイントを許すと、1本目のマッチポイントはしのいだが、再びダブルフォールトを犯して敗戦。最後はマーフィー主審との握手を拒否し、シューズなどを観客席に投げ入れたり、破壊したラケットを若いファンにプレゼントしたりしてから会場を後にした。

 対戦したハチャノフは「彼は本当に素晴らしい才能を持っているが、上の空の時がある」「(キリオスとの対戦は)自分だけでなく、すべての選手にとって非常にタフだ。うまく処理しないと勝つチャンスをつかめない。常に試合に踏みとどまらないといけない」と語った。3回戦ではリュカ・プイユ(Lucas Pouille、フランス)と対戦する。(c)AFP/Bill Scott